2009年3月7日土曜日

貸金業者の統廃合と、過払金返還請求・任意整理上の問題

 ここ数年、貸金業者(消費者金融業者等)は多額の過払い金を返還するとともに、金利の引き下げにより経営状況が悪化しています。そのため、消費者金融業者等が統廃合したり、倒産することが少なくありません。

 こういった状況において、営業譲渡が行われ消費者金融事業を受け継いだ会社については、以下の問題点が存在することがあります。

  • もともとの会社との間で締結された契約書に則り利息を請求
  • 過払い金の返還請求をすると、過払い金はもともとの会社からは受け継いでいない(承継していない)と主張
  • 過払い金については、「もう時効なので、返還する必要がない」と主張
 過払い金の返還請求は、当事務所のような債務整理専門の司法書士等の専門家でなくても、ご本人が直接消費者金融業者等に行うことができます。

 しかしながら、通常の場合、法的な交渉力と経験値において上回っている消費者金融業者等に対して、一般個人の方が思うような交渉結果を引き出すのは容易ではありません。ましてや、100年に一度の経済大恐慌というような形容がされている昨今において、消費者金融業者等が容易に過払い金の返還請求に応じるでしょうか・・・。

 さらには、すでに時効が完成していて本来あなたが支払う必要のない借金についても、消費者金融業者等とあなたが直接交渉して「支払う意志を明確に示してしまう」などの理由により、時効を援用できなくなり、本来不必要な借金返済まで行ってしまう危険すら存在していることを、しっかりとご認識していただいた方がよいと思います。